レピュテーションリスクマネジメントを今企業が行うべき理由とは??

今や誰ものが情報を発信できる時代です。口コミサイトやブログに書き込む、あるいはSNSに書き込むなど、その方法は多様化しつつあります。

この書き込みの内容によっては企業イメージが上がることもあれば、逆に下がってしまう可能性もあるものもあります。場合によっては売上の低迷や質な人材を確保する機会を失うことにつながり企業にとってのダメージは計り知れません。

そんな損失を防ぐべく今、企業のレピュテーションリスクマネジメントの重要性が高まっていると言われています。

では今回はこのレピュテーションリスクマネジメントとは何かついてご説明いたします。

レピュテーションリスクマネジメントとは

レピュテーション、これは「評判」あるいは「名誉」のことを指します。つまりレピュテーションリスクマネジメントとは企業の評判やイメージをいかに監視し、マネジメントしていくかということにあたります。

重要視している企業のブランディングにおいて、この活動は非常に重要です。
なぜなら、よいイメージとして伝わっているものならよいのですが、事実と異なる評判、つまり「風評」が広まってしまえば顧客離れなどを引き起こすだけでなく、社内にいる社員を不安にさせる要素につながり、業績の悪化や社会的信用の低下へとつながりかねません。

そんな第3者からのイメージとのギャップを埋め、正確なイメージを伝えていき、企業イメージを良好に保つ活動がレピュテーションリスクマネジメントといわれる活動です。

レピュテーションリスクマネジメントの種類について

レピュテーションリスクマネジメントには大きく分けて2つの種類があります。

1つは企業にとって良いイメージを持ってもらうべく、企業側から積極的に情報発信を行う攻めのレピュテーションリスクマネジメント、もう1つは企業にとってのマイナスなイメージとなりうるものを監視し、対応して企業イメージが損なわれるのを防ぐ、守りのレピュテーションリスクマネジメントの2種類です。

攻めのレピュテーションリスクマネジメントとは

攻めのレピュテーションリスクマネジメントとは、企業イメージを向上させるべく企業側から情報発信を行っていくことで、きぎょうにとっての良いイメージを作っていく能動的な活動です。

具体的にはテレビや新聞、ラジオから、中吊り広告や看板広告によるプロモーション活動、Facebookやツイッター、Instagramに代表されるSNSを使い、ユーザーへ情報発信する、あるいはコミュニケーションをとる活動があげられます。

自社のポジティブな情報、あるいはユーザーにとって有益な情報の発信を継続的に行うことによって、良イメージを作り、維持することが出来ます。

守りのレピュテーションリスクマネジメントとは

守りのレピュテーションリスクマネジメントは、企業にとってマイナスなイメージとなる情報を常に監視し、対策をとっていく活動です。

具体的には、インターネットの検索結果やSNSなどで、ネガティブな情報が発信されているかを監視し、拡散されるのを未然に防ぐ活動です。
インターネットによる情報の拡散はすさまじく、今後の経営活動に深刻な影響を及ぼします。

また、一度拡散してしまえば、炎上し、企業側からのコントロールが出来なくなる事態につながりかねません。
そうなる前に、いち早く企業側から謝罪や訂正と、対策を打ち出す、誹謗中傷であれば、削除請求などを行っていくことで、企業イメージが損なわれるのを防ぎます。

レピュテーションリスクマネジメントの成功事例

企業で事故や事件など不祥事が起きると、レピュテーションの低下につながってしまいます。
レピュテーションの低下により、業績が悪化してしまい倒産に至るケースも少なくありません。
しかし、不祥事が起こったにも関わらず、その後の対応が評価されレピュテーションが低下するどころか上がった企業も存在するのです。

レピュテーションリスクマネジメントの有名な成功事例として、1982年にJ社で起こった毒物混入事件をご紹介いたします。
何者かによって毒物が商品に混入されたという情報が入って即座に、J社は、テレビや新聞などメディアを通じて情報提供を行いました。同時に、J社は高いコストをかけて商品の自主回収を決断し実行したのです。
その結果、J社は、消費者のことを第一に考えた迅速かつ誠実な対応を社会から評価され、事件発生2か月後には売上を80%まで回復させました。J社の高い法令順守の姿勢が、レピュテーションを向上させたのです。

J社の事例のように、レピュテーションリスクマネジメントを正しく機能させることができるか否かが、企業の評判やブランドの命運を分けます。
万が一の不祥事が発生してしまった際に、評判やブランドへのダメージを最小限にするためにも、企業は「クライシス・コミュニケーション(危機管理コミュニケーション)」についてしっかり理解しておく必要があるでしょう。

レピュテーションリスクマネジメントの対象は顧客のみではない

レピュテーションリスクマネジメントを行う対象は顧客や取引先が対象かというとそういうわけではありません。
その範囲は従業員や株主、関連団体などさまざまなステークホルダー(利害関係者)も対象となります。

例えば、企業の業績が良くなっていたとしても、職場環境が劣悪である、あるいは法令を遵守していなければ、イメージと現実のギャップが良質な人材の流出する、優秀な人材が確保できなくなることにつながります。

そういったことにならないようにするためにも法令を遵守する、職場環境の改善に努める、積極的な情報を開示するなどして、社内外において企業のイメージを高める必要があります。

 レピュテーションリスクを回避するマネジメントとは?

リスク回避の特別の部署を抱える大手企業などは、弁護士をも交えた体制が整備されていると思いますが、中小企業ではどうでしょうか。

まさかインターネットの書き込みやツイートくらいで企業活動に大打撃を与えるものか、と考えている方が多いのではないかと思います。

しかし、いまのインターネット時代では、その考えは大間違いです。

最近、こんな事件がありました。

ある自動車メーカーの発表前の電気自動車を下請け工場のスタッフがスマホの写メで撮影してTwitterで流してしまいました。たぶんその自動車メーカー本社自体では守秘義務は徹底されていたのでしょうが、スマホ持ち込み禁止令も含めて下請け工場の現場スタッフまで教育する必要性を感じてなかったのでしょう。

インターネットの反響はいまやテレビを超えると言っても過言ではありません。

炎上する大事件に発展してしまいましたが、商品にかかわる関係者全員に守秘義務の遵守を徹底していれば事件は未然に防げたはずですし、また以下のような態勢と善後策を講じていれば炎上を回避できたかもしれません。

①検索窓に会社名など目的のワードを入れるとサジェストというワードが複数出ますが、マイナスのワードが出ていないかを常時、監視する。

②検索した結果、もし正確でない項目(インデックス)のタイトルがあれば、正しい情報を発信することによって検索結果の上位にランクインさせる。

③検索結果1ページ目の、特に口コミサイト内の書き込みは必ず監視し、もし誹謗中傷や根も葉もない風評があれば、すぐに削除する。

しかし、会社の体制上または人材面で上記のような対策を自力でできない場合はどうすればいいでしょうか。

そのときこそ、私たち風評被害対策ラボにご相談ください。

インターネット検索画面の日々の監視のご依頼、プラスイメージの発信方法あるいはトラブル発生時の対応など、数々の事例を通して蓄積したノウハウで解決策をご提案いたします。

 レピュテーションリスクマネジメントについてのまとめ

インターネットの普及によって、企業と消費者、従業員や投資家などのステークホルダーとの関係性は変わってきたといえます。
企業が打ち出したいイメージと実際のユーザーがもつイメージにズレがでてくれば、いずれ大きな損失につながります。

ネット上でのイメージを向上させることと、ネガティブな情報にいち早く察知し対策を行うことは、企業にとって今や行わなければならない活動の一つになったと言えるでしょう。

そのためには、情報発信と同時にユーザーからの書き込みにいち早く気づき、レピュテーションリスクマネジメントをしていく体制が今後の企業イメージの維持向上の第一歩へとなっていきます。