現代は不確実かつ予測不可能な時代です。
いつどこから火矢が飛んでくるかわかりません。
そういった危機的な事態を事前に防ぐための「リスクマネジメント」から、万が一危機的な事態に陥ってしまった緊急時の「クライシスマネジメント」まで、一貫して私たちがサポートします。
広報担当者や管理職向けの講演・セミナー等を通じて、より具体的な対応策をお教えします。また、有事の際は広報担当者の業務を全面的に支援いたします。
目次
【日常的な準備・対策①】~経営者・役員として~
広報は会社の窓口として重要な役割を果たしています。まして危機に直面すれば、企業防衛のために様々な角度から事態の重大さを認識判断して行動する必要に迫られます。そのためには普段から定期的に講習会等を通して危機管理の基礎知識をしっかり身につけることが大事です。
そうした意味で、会社の代表者はじめ役員は、広報的な部署を設置して、危機に直面した際に確実に機能する危機管理体制を構築すべきです。
そして日ごろから他社の事例等を収集するなどして、広報担当者の対応力向上を向上させておく必要があります。
【日常的な準備・対策②】~幹部役員として~
管理職、幹部社員は従来以上に危機管理意識に対する認識が求められています。商品の欠陥や事故、あるいはインサイダー取引、公金横領、メンタルケア、セクシュアルハラスメントまで把握すべき範囲は広く多岐にわたります。
グローバル企業であれば、中東などの紛争地域に近い海外支社についてはとりわけ気を配らなければなりません。海外での危機は国内と比べて数倍は高いといえます。
そういった会社全体を揺るがしかねない危機管理について、ある時は専門弁護士の参加を求めながら、幹部社員は自らテーマを提起するなど講習に参加すべきです。
【日常的な準備・対策③】~危機管理広報として~
Web上でリスクにつながる投稿や記事が掲載された場合、その対応についての助言、サポート等を行うのが広報です。
往時と違いパソコン・スマートフォンが普及したインターネット時代のいま、マイナスの口コミや風評被害ほど怖いものはありません。あっという間に拡散して炎上することもまれではないからです。最悪の場合は、会社の収益に影響を与えかねません。
その予防策として広報は、事件・事故、風評被害、誹謗中傷時の初期対応も含めて、弁護士のセミナーや徹底したコンプライアンスやガバナンスの研修を行う必要があります。
また、メディアの記者たちと一定の距離を保ちながらも情報交換する場を持つのも得策です。
【日常的な準備・対策④】~一般社員・新入社員として~
わたしたちを取り巻く環境は刻一刻と目まぐるしく変化しています。それにともないコンプライアンス(法令遵守)も厳しい内容となってきています。そもそもコンプライアンスとは何か? 遵守しないとどうなるのか?
うっかり未成年者に飲酒させたり、ついつい麻薬に手を出したりすればどうなるのか? 当事者は会社をクビになり、前途洋々のはずだった一生を棒に振ることになります。
では、こうした場合はどうでしょう? たまたま友人に会社の機密事項を漏らしまったら? そして友人はあまりよくも考えもせずに機密をTwitterでツイートしたらどうでしょう?
当事者は良くて謹慎処分、悪ければ依願退職を迫られかねません。
会社の財産である新入社員がそんな憂き目に合わないように、顧問弁護士や時には各部署の幹部が講師となりながら、入社時からみっちり新人研修をすることが大切です。
危機管理広報の成功事例3選
【対応事例①】チロルチョコが芋虫混入で炎上したが適切対応で成功
2014年6月11日午後1時前後に、チロルチョコの中に芋虫が混入していたという報告がありネット上ですぐさま話題となり炎上騒ぎとなりました。ところがこれに対して即日4時ごろ、チロルチョコが公式アカウントで以下のような最も適切かつ冷静な回答をしました。
現在Twitter上でチロルチョコの中に芋虫がいたというツイートが流れている件に関しまして説明させて頂きます。現在ツイートされている商品は昨年の12月25日に最終出荷した商品で掲載されている写真から判断しますと30日~40日以内の状態の幼虫と思われます。
— チロルチョコ株式会社 (@TIROL_jp) 2013年6月11日
と同時に以下の日本ココア協会による「よくある質問」を紹介。
チョコレート製品の生産段階で虫の卵や幼虫が入ることは通常なく、工場出荷後、家庭で消費するあいだに芋虫が侵入するケースがほとんどだと説明しています。
代表的な3種類の芋虫の名前まで挙げ、万が一、誤って食べても人体に直接害はないそうですが、ご心配の場合は医師にご相談ください、と結んでいます。
詳しくはこちらのサイトをご覧下さい。http://t.co/0iYINOLeVm
お騒がせしており申し訳御座いません。— チロルチョコ株式会社 (@TIROL_jp) 2013年6月11日
このチロルチョコ側の沈静な対応により、事態は沈静化し、投降した個人ユーザーはアカウントを削除したそうです。
(参照)http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1306/11/news127.html
【対応事例②】芸能人の来店情報漏洩でりそな銀行が謝罪
2015年6月8日、りそな銀行のパート従業員が、支店に来店した芸能人の情報を娘に漏らしたところ、Twitterでツイートしてたちまち炎上した事件がありました。
りそな銀行は以下のお詫びを正式に発表、再発防止に取り組むとしています。
【お詫びとご報告】特定のお客さまが中目黒支店にご来店された情報が、ツイッター上に漏えいしていたことが判明いたしました。お客さま並びに関係者の皆さまには多大なご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。http://t.co/rMNqAn2WC0
— りそなPR【公式】 (@resona_pr) 2015年6月8日
2015 年 6 月 8 日
各 位
株式会社りそな銀行
お詫びとご報告
6 月 8 日(月)、特定のお客さまが中目黒支店にご来店された情報が、Twitter 上に漏えい
していたことが判明いたしました。
お客さま並びに関係者の皆さまには、多大なご迷惑とご心配をお掛けいたしましたこと
を、深くお詫び申し上げます。現在、事実関係については調査中ですが、調査結果に基づき、厳正に対処してまいります。
弊社では、全ての従業員に対して、守秘義務等に関する研修を行ったうえ、全社員から誓
約書の提出を受けておりますが、金融機関としてあってはならないことであり、今回の事態
を厳粛に受け止め、今後かかることが二度と発生しないよう、再発防止に全力を挙げて取り
組んでまいります。ご迷惑をお掛けしましたお客さま並びに関係者の皆さま、ご心配をお掛けしました皆さ
まに対しまして、心よりお詫びを申し上げます。以 上
たとえパート従業員といえども、お客様にとっては正社員となんら変わりはありません。マナーはもちろんのこと、きちんと危機管理についても社員教育をしておくべきだった、という好事例です。
(参考)https://matome.naver.jp/odai/2143380196128832001
【対応事例③】真相をつきとめて解決に導いたローソンチケット
「当選したチケットを勝手にキャンセルされていた」という内容のツイートが拡散されローソンチケットに非難が殺到しました。しかし、ローソンチケットは、証拠としてツイートに載せられていたメールや領収書のスクリーンショットが偽装であることをつきとめ、早い段階で「キャンセルの事実がない」と発表をしたのです。
お客様各位
2017年9月6日
株式会社ローソンHMVエンタテイメント平素よりローソンチケットをご愛顧賜り、誠にありがとうございます。
弊社より9月4日(月)にご案内しております、SNS等で情報発信されているミュージカル『刀剣乱舞』のチケット購入に関する事象についての調査結果をお知らせいたします。※9月4日(月)のご案内は下記URLからご参照いただけます。
http://l-tike.com/news/20170904.htmlさらなる調査を進める中で、昨日、ツイートの発信者様とコンタクトがとれ、状況の確認を行ないましたところ、入金はされておらず、従いまして『入金後のキャンセル』及び『当社からのメール配信』という事実は無かったことが確認されました。
皆様にご心配をおかけしましたが、弊社のシステム/サービスに問題がないことを確認いたしましたので、引き続き、安心してご利用いただけますようお願い申し上げます。
以上
引用:お知らせ
ローソンチケットは、ツイートの投稿者を攻撃することなくきちんと話し合い、迅速に解決させることに成功しました。
危機管理広報に求められること
【会社危機存亡の時①】~広報の初動~
もし危機が勃発した場合、もっとも重要なのは事実確認とスピーディな対応です。
社内であれば当事者とその上司(課長、部長)につぎのことを聞き取り調査します。
・事故の内容と原因
・事故の発生時期
・事故の経過(拡散など)
つぎに社長、役員、人事部などへの報告と対策の検討を仰ぎます。
事が重大であれば、当該部署、営業部、制作部、人事部など関連部署の管理職を招集し、広報部がまとめて対策チームを結成します。
以降も、事態が鎮静化するまで定期的に会議を招集し、会社の上層部に報告し、指示を仰ぎます。
【会社危機存亡の時②】~記者発表の準備~
マスコミなどからの問い合わせを広報部に一元化すべきです。
危機管理のポイントは、社内外の混乱を最小化することです。
いろいろな外部問い合わせに異なる部署で回答するなどもってのほかです。
この事案の問い合わせは、すべて広報部に回すようにと社内全部署に回覧をまわして徹底します。
こうすることによって、会社は財産である社員を擁護し、全社一丸となって対処している姿勢を内外にアピールできることにもなります。
会社の規模などにより、広報部などの対応部署がない会社様には、経験豊富なわたしたちが貴社に代わって、危機発生時のマスコミ(新聞・テレビ・週刊誌等)対応を十二分に行います。
【会社危機存亡の時③】~記者会見の要不要と手配~
十分な聞き取り調査と被害の全容を確認したうえで、次に広報部がおこなうのが、来るべきメディアへの記者発表です。
記者発表資料や予想される質問に対する想定問答を用意することから始めます。
そして速やかなる模擬記者会見の予行演習が必要です。
しかし、危機発生時の記者会見そのものを経験されたことがなく不安だという会社様には、わたしたちが貴社に代わって、記者会見場の手配から当日の運営までをすべて一貫して行うこともできます。
【会社危機存亡の時④】~記者会見後の事後処理~
記者会見が終了したからといって、それですべてが終了したわけではありません。
広報部は事の顛末を弁護士と相談しながら、会社ホームページに掲載して関係者をはじめ同業他社ひいては世間に知らしめると同時に理解を求める必要があります。
そしてもっとも重要なのが、社員全員への事故の原因から結果まで経過報告の共有です。
会社全体を巻き込んだ事態を教訓として最大限、再発防止に努めるべきです。
そして二度と同じ過ちをおかさないようにしなければなりません。
一時期、暗かった社員に笑顔が戻るのが早ければ早いほど、危機を乗り切った達成感が得られ、企業としての回復力がついた証拠です。
危機管理広報に関することでお困りでしたら、危機管理広報のコンサルティングについてのご相談など、風評被害対策ラボまでお問い合わせください。