今回は「ソーシャルメディアを監視する理由と対策方法」について解説します。
前回、「SNSの監視をするときの10個の秘訣!炎上を乗り切る企業とは?」でSNSの監視する秘訣をご紹介しましたが、そもそもなぜ監視をしなくてはいけないのか、その考え方を解説致します。
最近、公式サイトとしてフェイスブックなどのソーシャルメディアを活用する企業が増えています。
ユーザーにダイレクトに訴求できるなどのメリットもありますが、悪評があっという間に拡散してしまう「炎上」も後を絶ちません。
企業はネット上の自社情報をしっかりと監視しておく必要があります。
そこでソーシャルメディア全盛時代において企業はどのように情報監視を行うべきか解説します。
ソーシャルメディアの監視が必要な理由
ツイッター、フェイスブックをはじめとした、さまざまなソーシャルメディアが人気を集めています。
テレビや新聞がソーシャルメディアの投稿を参考にすることも多く、今や計り知れない影響力を持っているのは間違いありません。
最近では公式サイトがわりにソーシャルメディアを利用する企業も増加していますが、不用意な一言から炎上を招いてしまうこともあります。
受け手のちょっとした誤解から瞬く間に噂が広がり、気がついた時には手がつけられない状態になってしまう例も少なくありません。
また、一人の個人ユーザーによる小さな書き込みが信じられない速度で広がってしまうことも日常茶飯事です。
良い評判が広がることもありますが、もちろん、悪評や誹謗中傷が拡散されてしまうこともあります。
それが事実とは反する個人の偏った見解だったり、悪意のあるコメントだったとしても、これといった考えもなく広めてしまう人がほとんどです。
ソーシャルメディアは時に思わぬ破壊力を発揮します。
売上ダウンだけではすまず、最悪の場合、廃業にまで追い込まれることもあります。
確かに企業側に問題がある場合もありますが、ほとんどの場合は刺激的な悪評がみるみる拡散することによって引き起こされます。
それだけストレス解消にネットを利用している人が多いということかもしれません。
また、誰もが正義を名乗り気軽に悪を叩くことができるというソーシャルメディアの一面に由来するとも言えるでしょう。
ソーシャルメディアの拡散スピードはけっしてバカにできません。「ゴルスタはなぜ炎上したのか!?風評被害対策専門家の見解」はその典型的な例かもしれませんね。
老若男女がスマホを持ち手軽に情報発信できる状況の中では、間違った情報でも刺激的な内容であれば瞬時に広がってしまいます。
とくに、インパクトのある映像などは恐ろしい勢いで伝播していきます。
一度、世の中に出回ってしまったものは、たとえデマでも信じてしまう人も少なからずいます。
そもそも大衆とは真実よりも面白さを求めるものです。記者ならば裏の取れない情報は発信できませんが、素人には何の縛りもないという怖さもあります。
たくさんの人に見てもらい賛同を得るためにはどんなことでも書く人も大勢います。
しかも、自分のしていることがゴシップ雑誌と変わらない、あるいはそれ以下だと自覚していたり、罪の意識を持っている人はほとんどいません。
このように、ソーシャルメディアはあらゆる観点から誹謗中傷の巣になりやすいという特性があります。
一度広がり始めた悪評は、なかなか鎮火することはできません。炎上は、初期に消化しておくことが何よりも重要。
しかし、ソーシャルメディアはいつ誰がどんな書き込みをしようとしているのかまったく予想がつきません。
そのため、24時間365日体制で監視する必要があるのです。
ソーシャルメディアを監視する方法その1
ソーシャルメディアを監視する方法としては、ひとつには有人監視があります。ツイッターやフェイスブックなどを人力で監視するという方法です。
問題のある書き込みは営業時間外の深夜に投稿されることが多いので、外部スタッフに依頼する企業がほとんどです。
有人監視の最大のメリットは微妙なニュアンスを見分けることができるという点でしょう。
一見、NGワードや悪口を言っているように見える表現でも、じつはむしろ褒めているような表現も多々あります。
アンチのようでありながら、実際はファンということも多々あります。
そういった投稿まで削除してしまっては、せっかく宣伝にもなるものが台無しになってしまいます。
有人ならば精度の高い監視を行うことによって、炎上の種だけを削除することも可能です。
また、悪意のある書き込みを見つけたからといって、発見者が削除できるわけではありません。投稿者に直接リプライして削除を依頼するのも一つの方法ですが、そのようなやり方はかえって火に油を注いでしまうこともあります。時には沈静化を静かに待つのも大事ですが、明らかなスパムアカウント、誹謗中傷用アカウントなどはソーシャルメディア運営者にアカウント削除を依頼する必要があります。しかし、削除依頼はそれぞれのソーシャルメディアによってフォーマットも異なるため、スタッフが臨機応変に対応しなければいけません。
以上のような一連の作業ができ、なおかつネットリテラシーの高いスタッフを社内で育成するには大変なコストがかかります。
費用対効果の面からも有人監視を外部に依頼する企業が多いというわけなのです。
有人監視のメリットやデメリットの詳細については「書き込みの投稿監視は有人と無人どっちがいい?メリットとデメリット」でもご紹介しています。
ソーシャルメディアを監視する方法その2
ソーシャルメディアを監視するには、無人監視という方法もあります。専用監視プログラムを用いて問題のある書き込みがないかどうか逐次チェックするというメソッドです。
有人監視とくらべるとやや精度は落ちるものの、とりあえず問題がありそうな投稿をあらゆるソーシャルメディアを一括して検出できるという点では優れています。
無人監視は、あらかじめ登録しておいた企業名、商品名、サービス名、NGワードなどで検出された投稿を常時知らせてくれるよう大変便利なシステムです。
しかし、人工知能がピックアップしてくる投稿の中には、じつは問題のないものも結構含まれています。プログラムがリストアップした投稿の中から本当に不適切なものは人間が仕分けなければいけないことも多々あります。
いずれにせよ、無人監視は外部サービスに依頼するということがほとんどです。なぜならば、監視プログラムを作成するためには高度なスキルが必要だからです。有人監視の人件費と比較すればリーズナブルではありますが、キーワードの随時見直しが必要など運用コストはそれなりにかかります。したがって、業者選びはくれぐれも慎重に行いたいところです。中にはソーシャルメディアに自ら問題のある書き込みをしては対策件数を稼ぐ、マッチポンプ方式で不当な利益を得ている悪徳業者もいるので注意してください。
まとめ
ソーシャルメディアは諸刃の刃です。上手に活用すれば宣伝効果は抜群ですが、最悪のケースに陥る危険性もあります。
基本的には、いつ誰がどのような書き込みをするのかわからないと心得、しっかりと監視する必要があると言えるでしょう。
監視する方法には有人監視と無人監視の二種類がありますが、それぞれメリットとデメリットがあります。
コストがかかっても精度の高い監視を希望するならば有人監視、とりあえずソーシャルメディアの監視とはどのようなものなのかを体験してみたいという場合には無人監視をおすすめします。
いずれにせよ、監視サービスを提供している会社には様々なところがあります。
比較的新しいサービスということもあり、必ずしも信頼できる会社ばかりではないというのが実際のところです。
契約にあたっては十分比較検討することをおすすめします。