インターネット上の掲示板はいろいろとありますが、したらば掲示板もそのうちの一つです。
幅広いジャンルの掲示板があり、使い勝手もいいため多くのユーザーが利用しています。
したらば掲示板は、個人・法人に関わらず誹謗中傷を含むスレッドが立てられたり、投稿をされることも少なくありません。
もし誹謗中傷のターゲットとなってしまったら、すぐに削除申請などの対応をするべきです。
このような投稿やスレッドの削除は手順を追って行わなければなりません。
今回はその削除申請の方法と投稿者の特定方法を解説します。
目次
したらば掲示板とは?
したらば掲示板は、2000年から存在している老舗の掲示板です。
もともとは「2ちゃんねる」の創始者である西村博之氏が設立した「合資会社東京アクセス」が開設したもので、したらばコミュニケーションズ、ライブドアと運営会社が変更されました。
さらに、2013年からはブログサービスで有名なシーサー株式会社が管理運営を行っていましたが、2018年に「爆サイ.com」のエーゲート株式会社に譲渡されて今にいたります。
その規模は「2ちゃんねる」と並んで国内屈指のもので、ユーザー数は20万人以上、月間ページビュー5億を誇ります。創設に「2ちゃんねる」の創設者が関与していることからも分かる通り、したらば掲示板は見た目や使い勝手、ユーザー層などが「2ちゃんねる」とよく似ています。ただし、「2ちゃんねる」ではあらかじめ用意されたカテゴリや板の中でユーザーがスレッドの作成や書き込みを行うのに対し、現在のしたらば掲示板では、個々の利用者が任意のテーマの掲示板をレンタルして独自に管理するシステムとなっています。
それゆえに専門性の高いカテゴリの掲示板が生まれやすく、特定の法人や個人に関する意見交換をしあう目的のカテゴリやスレッドも多く存在します。そういったスレッドの中では、法人や個人に対するバッシングや誹謗中傷がしばしば加熱し、いわゆる炎上状態が引き起こされるケースも少なくありません。
したらば掲示板の特徴
したらば掲示板には2チャンネルと類似する点が多いながら、独自の機能も持っています。
スパム投稿や荒らし行為への対策機能があるため、掲示板を初めて利用する人でも安心して運営することが可能です。
さらに、自分が管理している掲示板の背景デザインや装飾を自分好みに設定することもできます。
HTMLやCSSの知識があると、オリジナリティのある掲示板を作成することが可能です。
したらば掲示板は管理人がそれぞれ異なる
したらば掲示板は「掲示板をレンタルして独自に管理する」というシステムのため、掲示板の管理人はそれぞれレンタルして管理しています。そのため、掲示板独自のルールができていることがあり、削除の基準もそれぞれ違ってくるのです。
これについては利用規約の第4条(免責事項)でも説明されています。
本サービスはレンタル掲示板であるため、基本的に掲示板上のトラブルの処理や削除依頼などにつきましては、掲示板管理者の自己判断と責任にて対応を行っております。運営者はあくまでシステムを提供しているのみであり、原則として掲示板の内容に関して手を加えることはございません。
引用:したらば掲示板 利用規約
一方で、利用規約第5条では35項目を禁止事項として設けています。
たとえば、「名誉を棄損する行為」や「誹謗中傷する行為」などが禁止事項として明記されています。
したらば掲示板の書き込み削除方法その1:運営元に削除申請をする
したらば掲示板に企業や個人に対する事実無根のネガティブコメントや、執拗な誹謗中傷が投稿されてしまった場合、取りうる対応としてまず考えられるのは削除申請の提出です。
したらば掲示板の管理運営責任者は個々のレンタル掲示板の管理者ですので、削除依頼を出す場合はエーゲート株式会社ではなく個々の掲示板の管理者に対して提出する必要があります。
具体的な削除依頼の方法としては、まず、問題の投稿が存在するスレッドから個々の掲示板のトップページに移動します。
そして、トップページの下部の「掲示板管理者へ連絡」というリンクから問い合わせフォームに移動します。
問い合わせフォームでは、名前(ニックネームでかまいません)やメールアドレスを記入し、削除を要求する理由を詳しく書いた上で送信します。
管理者は、削除依頼の内容を見て削除の必要性があるかどうか判断します。
削除依頼には、
- 「問題のスレッドのURLやレス番号」
- 「問題の投稿の内容」
- 「自分が侵害されている権利の内容」
- 「自分が被る不利益」
- 「自分のことが書かれていると判断できる理由」
などの内容を盛り込んでください。
わかりやすく自分の被害状況を説明することで削除が認められやすくなります。
したらば掲示板の書き込み削除方法その2:弁護士に削除依頼をする
したらば掲示板は、個別の掲示板の管理がそれぞれの管理者に委ねられているため、削除要求をした際の対応の柔軟さやスピードは個々の掲示板によってバラつきがあります。
通常の削除依頼ですぐに削除対応を行ってくれる場合は良いのですが、中には削除依頼に対するレスポンスが鈍い管理者も存在します。
そういった場合には、運営会社であるエーゲート株式会社に対して削除依頼を行う方法もありますが、必ずしも削除が行われるわけではありません。
掲示板の管理者やエーゲート株式会社に削除依頼を出しても削除されなかった場合、弁護士に依頼して裁判所で削除の仮処分を求める申し立てを行わなければなりません。
裁判では、問題の投稿によって被害者が権利侵害を受けていることや、削除に緊急を要する理由などを明確に説明します。
その上で、削除の必要があると裁判所が認めた場合に限り、法的強制力のもとに問題の投稿の削除が行われることとなります。
ただし、こういった仮処分の手続きによって投稿を削除するには短くても2週間から4週間程度の時間が必要です。
悪意ある誹謗中傷を一刻も早くインターネット上から削除して欲しいと願っている被害者の立場からすると、焦れったく感じるかもしれません。
したらば掲示板の対応と成功例
したらば掲示板の削除申請に対する対応
したらば掲示板での悪意ある書き込みには具体的にどのようなものがあり、それに対する対応はどのように取っていくべきでしょうか。具体的なケースを挙げて考えてみましょう。
例えば、したらば掲示板の特定の企業についての情報交換を行うスレッドで、個人名を挙げて「不倫をしている」「横領行為をしている」などの事実無根の情報が書き込まれることがあります。
あるいは、特定の法人について「ブラック企業である」とか「労働法に違反している」「セクハラが横行している」などの情報が集まることもあります。
そういったネガティブな書き込みが行われると、見た人が内容を信じてしまえば、当然名指しされた個人や法人はいわれのないさまざまな風評被害を受けることになります。
そういった場合、被害者本人が個人でしたらば掲示板に削除依頼を出しても、「削除を必要とする理由が明確になっていない」といった理由から申請が却下されてしまい、書き込みはインターネット上に残り続けることとなります。
したらば掲示板では、基本的には犯罪性のある書き込みは削除する方針ではありますが、削除依頼を出せば必ず削除されるというわけではなく、むしろスムーズに削除が行われる例はまれです。
したらば掲示板の削除が成功するパターンとはどんなケース?
逆に、問題の書き込みの悪質さや違法性を的確に指摘できる根拠を用意できるケースでは、書き込みの削除に成功することが多くなります。
例えば、特定の企業について情報交換するスレッドで個人に対する名指しの誹謗中傷が行われた場合、「この氏名の社員は当社に1名だけであり、容易に個人が特定できてしまう」などといった理由を示せば、書き込みによって被害者が受ける悪影響がより明確になり、削除審査が通りやすくなります。
しかし、このような的確な削除依頼を出すことは素人の方には難しい場合も少なくありません。当社のような削除申請のプロは多数の経験から豊富なノウハウを蓄積しており、悪質な書き込みによって被害者が受ける権利侵害やその根拠を的確に指摘することができます。個人での対応が難しい場合は、専門業者にご相談いただければ、スムーズに削除の成功につながることでしょう。
また、個別の掲示板の管理者への任意の削除依頼が却下されてしまったケースでは、したらば掲示板に対する任意の削除依頼や、さらには裁判所での手続きを通じた仮処分へと対策をステップアップしていく必要が出てきます。
個人の方にはこういった複雑な手続きを行うには限界がありますので、迅速かつ確実に対応するためには、悪質な書き込みを発見した時点ですぐに専門業者へご相談いただくのが安心です。
したらば掲示板の削除依頼のリスク
したらば掲示板は、月間ページビュー5億を誇る極めて影響力の大きなウェブサービスです。
このような巨大な掲示板において悪質な書き込みがなされるとどのようなリスクが考えられるでしょうか。
まず、したらば掲示板は住人と呼ばれるコアなユーザーを大量に保有しています。
コアなユーザーの中には、個人や一企業に対するネガティブな情報を拡散し、大きな炎上状態とすることを面白がる層が一定数存在します。
悪意ある人が炎上の「火種」として事実無根の書き込みをすると、そのスレッドが盛り上がることで利害関係のない人までもがどんどん集まって来て、有害な書き込みは増えていく一方となります。
また、炎上状態が進行すると、「2ちゃんねる」や「Twitter」など、したらば掲示板の外の掲示板やSNSにまで騒ぎが広まり、完全に沈静化することがますます困難になります。
したがって、したらば掲示板での誹謗中傷対策は、最初に「火種」として書き込まれた投稿を速やかに削除することが肝心です。
不十分な内容での削除依頼を行うと、削除までに無駄な時間を要してしまうか、あるいは削除申請自体が却下されてしまう恐れが大きくおすすめできません。
したらば掲示板の投稿削除が難しい場合は逆SEO対策を
したらば掲示板上で誹謗中傷が起こった場合、バッシングが加熱し、いわゆる「祭り」や「炎上」と呼ばれる状況にしばしば発展します。
近年、SNSや検索ツールが広く浸透し、ネガティブな情報の拡散性が極めて高い環境になってきています。
ちょっとした投稿が炎上に発展し、事業の存続に深刻な影響を及ぼすケースも少なくありません。
こういった状況を避けるためには、誹謗中傷の内容が人の目に触れないうちに迅速に削除するのが一番です。
しかし上述したように、投稿は必ずしも迅速に削除されるわけではありません。
削除までに時間がかかっている場合や、削除依頼を行っても削除されなかった場合には、逆SEO対策を取ることも有効な自衛手段です。
逆SEO対策とは、問題のある内容が記載されているウェブページの検索結果の順位を下げ、内容が人の目に触れにくくする施策のことです。逆SEO対策では、検索結果として表示するための新ドメインの取得、被リンク処理や有力サイトへの記事掲載などのさまざまな対策を複合的に行うことで、検索結果の順位を効果的に操作することができます。
専門知識のない方が個人でこういった対策を行うのは極めて困難なため、当社のような風評被害対策のプロに1日でも早くご相談ください。
したらば掲示板の投稿者を特定することはできる?
したらば掲示板の悪意ある書き込みによって名誉毀損、営業妨害、プライバシー権の侵害などの損害を被った人が、書き込みの投稿者に対して損害請求を行うには、投稿者が一体どこの誰なのかを特定する必要があります。
書き込みの投稿者を特定するための具体的な手順を説明いたします。
インターネット上の掲示板や記事において他人の権利を侵害する違法な内容が掲載されている時、プロバイダ責任制限法にもとづいて被害者は投稿者についての情報開示を求めることができます。
この手続きを「発信者情報開示請求」と言います。
誹謗中傷の被害者は、個別の掲示板の管理者またはエーゲート株式会社に対して発信者情報開示請求の文面を送付します。
任意での情報開示が得られなかった場合には、裁判所で仮処分の手続きを取れば法的強制力を持って情報開示させることが可能です。
こうして情報開示が認められれば、投稿者のIPアドレスが判明します。
IPアドレスが分かれば投稿者が使用しているプロバイダを特定できるため、次にプロバイダに対して発信者情報開示請求を行います。
プロバイダに対する発信者情報開示請求においては、任意請求を行っても開示されるケースがほとんどないため、初めから裁判所での手続きに進むと良いでしょう。
さらにプロバイダに対する発信者情報開示請求は、仮処分ではなく本訴訟での請求となるためより複雑な手続きを行わなければいけません。
こうした諸般の手続きを踏んで、やっと投稿者の氏名や住所、メールアドレスが判明します。
したらば掲示板での投稿者の特定の手続きは、誹謗中傷対策の経験のない方にとっては対応が難しいことが多いため、対応に不安がある場合は専門家の支援を受けることも必要となってくるでしょう。
まとめ
したらば掲示板は、幅広い内容を自由に議論することができる人気の高い掲示板サービスです。
しかし、匿名かつ無料で投稿できるがゆえに、悪意ある投稿の温床となったり、炎上状態の舞台となったりするケースが多発しています。
したらば掲示板でのネガティブな書き込みに起因する風評被害や権利侵害を最小限に食い止めるためには、速やかに被害状況を把握して削除依頼を行い、場合によっては裁判所での仮処分や個人特定等も辞さない態度で対応していくことが大切です。
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