Googleでお店や企業を検索すると、検索結果にグーグルマップを使用した位置情報などが表示されます。
これはGoogleマイビジネスという、Googleが提供しているサービスの一つです。
ここには誰でも自由に口コミを投稿することが可能です。
しかしながらここに投稿される口コミは、けして良いものばかりではありません。
もしも自社の評判に関わるようなマイナスイメージの口コミをグーグルマップに書かれてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
また、削除依頼はどのように行えば良いのでしょうか?
今回はその方法をご紹介します。
目次
Googleマップの悪質口コミは削除できる?
Googleマップに投稿された口コミは、内容によっては削除依頼が可能ですが、実際は簡単に削除できるわけではありません。
まず、Googleマップの口コミがどのように表示され、どの範囲のユーザーに影響するのかを理解することが重要です。
「渋谷駅」と検索した場合を例に見てみましょう。

渋谷駅の口コミは2019年8月9日時点で1,287件あり、書かれた口コミは下記のように表示されます。

これを見ると、多くのユーザーがその評価を参考にしていることがわかりますね。
つまり、Googleマップの口コミは店舗や施設の印象を大きく左右する非常に重要な情報源というわけです。
しかし、マイナス評価だからという理由だけでは口コミを削除することはできません。
Googleは「事実に基づくユーザーの体験」を尊重しており、たとえ店舗にとって不都合な内容でも、事実なら削除対象にはならないためです。
一方で、次のような口コミは削除対象となる可能性があります。
- 全くの事実無根の内容
- 店舗を利用していない人物の投稿
- 嫌がらせ・誹謗中傷を目的とした悪質な投稿
つまり、Googleマップの口コミは「削除できるもの」と「削除できないもの」が明確に分かれているということです。
この違いを理解することが、適切な削除依頼を行う第一歩となります。
続いて、具体的にどのような口コミが削除対象になるのかを見ていきましょう。
削除できる口コミの条件(Googleのポリシー違反とは)
Googleマップの口コミが削除されるのは、Googleが定める「投稿ポリシー」に違反している場合のみです。
以下のような投稿は、削除対象として認められやすい代表例です。
- 事実と異なる内容(虚偽)
- 利用経験のない人物による投稿(無関係な内容)
- 誹謗中傷・侮辱・差別を含む投稿
- 競合による嫌がらせと疑われる投稿
- 他者になりすました投稿
- 複数のアカウントを使った星1の連投(スパム行為)
- 危険行為・違法行為などを助長する内容
これらはGoogleのポリシー違反に該当するため、削除申請が認められる可能性が高い内容です。
削除できない口コミの特徴(事実に基づく評価は対象外)
逆に、どれだけ店舗側に不利益があっても、“事実に基づいたユーザーの体験”である場合、口コミを削除することはほぼ不可能です。
たとえば以下のような内容は削除されません。
- 実際の利用に基づく不満
- 接客態度・サービスに対する主観的評価
- 味の好みや対応への印象
- 混雑や待ち時間への不満
Googleは「客観的事実の判断」を行わないため、ユーザーの感じ方が中心の投稿は削除対象外になるのが基本です。
削除されやすい悪質口コミの具体例(成功事例から傾向を解説)
実際の削除成功例を見ると、以下のような悪質投稿は削除されやすい傾向があります。
✅利用していないのに投稿した虚偽口コミ
「行ったことがない」「友人がそう言っていた」という内容は削除対象。
✅競合店と思われるアカウントからの嫌がらせ
特定の他店を持ち上げる内容が含まれると利害関係の問題として削除されやすい。
✅人格攻撃・侮辱・暴言
暴言や侮辱的表現はポリシー違反の代表格。
✅同じ文面が複数店舗に投稿されているスパムパターン
コピペ投稿は機械的に悪質と判断されやすい。
✅事実と異なる記述(証拠がある場合)
実際には行っていないトラブルを捏造するような投稿は削除成功率が高い。
Googleマップで悪質口コミを削除申請する方法
Googleマップの口コミがポリシー違反に該当すると判断できた場合は、実際に「削除申請」を行うことが可能です。
削除申請は、Googleビジネスプロフィールの管理画面、もしくはGoogleマップ上から誰でも行うことができます。
ここでは、ビジネスオーナー側が実際に削除依頼を行うための手順をわかりやすくまとめました。
申請自体は数分で完了しますが、内容を正確に伝えることが重要です。
ビジネスプロフィール(管理画面)から削除申請する方法
店舗オーナーがもっとも利用する方法が、Googleビジネスプロフィールからの申請です。
以下の手順で進めることで、対象の口コミをGoogleに報告できます。
① Googleビジネスプロフィールにログイン
管理権限のあるGoogleアカウントでログインします。
② 該当店舗を選択し「口コミ」を開く
ダッシュボードから「口コミ」タブをクリックします。
③ 削除したい口コミの右上にある「︙」をクリック
コメント横のメニューを開きます。
④「不適切な口コミを報告」を選択
理由を選択する画面が表示されるので、
「虚偽」「なりすまし」「不適切な内容」など、該当する理由を選びます。
⑤ 送信して完了
申請後はGoogleの審査に移り、通常数日〜数週間で結果が通知されます。
ビジネスプロフィール(管理画面)から削除申請する手順
Googleマイビジネスにログイン後、管理画面を開きます。
このとき、複数のリスティングがある場合には該当の管理画面を開いて、メニューから口コミを選択します。
削除したい口コミを見つけたら、「その他のメニュー」から「不適切なコメントを報告」して削除依頼は完了です。
モバイルの場合にはグーグルマイビジネスアプリから「顧客」>「レビュー」の順に進みます。
削除したい口コミを見つけたあとの手順は先ほどと同じです。
Googleマップから直接申請する方法(一般ユーザーも利用可能)
実は管理者でなくても、Googleマップ上から口コミを報告できます。
お客様から「悪質な投稿を見つけた」と教えてもらった場合も、この方法で申請可能です。
① Googleマップで店舗ページを開く
口コミ一覧が表示される画面に移動します。
② 対象口コミの右上「︙」をタップ
メニューが開きます。
③「レビューを報告」を選択
不適切な理由を選び、送信します。
誰でも申請できるため、複数のユーザーが同じ口コミを報告すると削除される可能性が高まると言われています。
削除申請がスムーズに進みやすくなるポイント
削除依頼をしても、Googleの判断により却下されるケースは少なくありません。
以下のようなポイントを押さえて申請することで、審査が通りやすくなります。
- ポリシーのどれに違反しているか明確にする
「虚偽」「関連性がない」など具体的に記載すると伝わりやすい。 - 事実と異なる部分があれば客観的な説明を添える
混乱を避けるため、短く正確にまとめるのがコツ。 - 同じ口コミを複数人が報告する
Google側が問題を認識しやすくなり、削除される可能性が上がる。
申請後の流れと審査期間の目安
削除申請を送信すると、Googleが内容を審査します。
審査期間は一定ではありませんが、一般的には次のような流れになります。
- 即日〜数日で結果が出るケース
- 内容によっては1〜2週間ほどかかる場合もある
- 結果はメールまたは管理画面で確認可能
削除が却下されることもありますが、ポリシー違反が明確であれば再申請の余地があります。
ただし、同じ内容を繰り返し申請しても結果が変わらないケースが多いため、次のステップ(返信対応・法的措置)を検討することが大切です。
Googleが口コミ削除に応じない理由
削除申請を行っても、Googleが口コミを削除してくれないケースは非常に多いのが現実です。
これは、Googleが「口コミの信頼性」を何より重視しており、ユーザー体験に基づく正当な評価は守る姿勢を取っているためです。
ここでは、削除に応じてもらえない主な理由を整理し、なぜ削除されないのか、どうすれば削除の可能性が上がるのかを解説します。
ポリシー違反と判断されていないため
削除されない最も多い理由が、Google側が「ポリシー違反ではない」と判断した場合です。
店舗側にとって不本意な内容であっても、
- 実際に利用した事実がある
- サービスに関する主観的な意見である
- 店舗への感想や印象が書かれている
などの場合、口コミとして正当とみなされ、削除対象になりません。
Googleは、店舗とユーザーの “意見の違い” を仲裁しないという姿勢をとっています。
そのため、削除したい口コミがある場合は、申請前に必ずポリシー違反に該当するかどうかを確認することが重要です。
事実関係が不明で、第三者が判断できない内容だから
口コミの内容が「店舗とユーザーの間でしか判断できない問題」の場合、Googleは削除に踏み切りません。
たとえば、以下のケース。
- 「接客態度が悪かった」
- 「料理が美味しくない」
- 「料金を高く感じた」
これらは、利用者の感想であり、事実関係をGoogleが検証できないためです。
Googleはユーザーの主観的体験を尊重するため、事実の裏付けが難しい内容はすべて削除対象外*となります。
悪質だが証拠が不十分なケース
口コミが悪意あるものに見えても、それを証明する客観的根拠がなければ削除は難しくなります。
たとえば、
- 利用者情報が不明
- 内容が曖昧で虚偽であるか判断できない
- 利害関係を証明できない
などの場合、Googleは削除を見送る傾向があります。
削除成功率を高めるには、
- 利用記録
- 当日の状況
- スタッフの証言
など、事実を説明できる情報を整理して申請に添えることがポイントです。
口コミ投稿の報酬としての金品の受け渡し行為も禁止
Googleマップへの口コミ投稿の報酬として、金品を受け渡す行為は禁止です。
たとえば、カフェなどの店舗が来店した人に「もしよかったらGoogleマップの口コミ投稿をしてください」と促したとします。
口コミ投稿を促すこと自体は問題ないのですが、「口コミを投稿した方に1ドリンクサービスします」というように促してはいけません。
これも意図的に評価を上げようとしている行為にあたります。
AI自動審査でポリシー違反に該当しないと判断された
近年は、口コミの審査にAIが導入されており、AIの自動判断により削除されないケースが増加しています。
AIの審査は、
- 表現の強さ
- 語彙
- 投稿パターン
などを分析してポリシー違反を検知しますが、攻撃性を巧妙に隠した嫌がらせ投稿は判定が難しいことがあります。
AIでは判断しきれない投稿は、人間による再審査に移行しますが、
初回申請ではAI判断で弾かれるケースが多いため、2回目申請で削除される事例もあります。
複数回申請しても結果が変わらない理由
削除申請を何度送っても、口コミ内容や理由が同じであれば、結果はほとんど変わりません。
なぜならGoogleは、同じ内容の報告を繰り返しても「同一申請」として扱うためです。
ただし例外として、
- その口コミに対する通報が複数件ある
- 口コミに対する他ユーザーの苦情が増えている
- 情報更新によりポリシー違反が明確になった
などのケースでは、再審査で削除されることもあります。
悪質口コミが削除できない場合の対処法
Googleに削除申請をしても、必ずしも悪質口コミが消えるわけではありません。むしろ、**「削除できないケースのほうが多い」**のが現実です。
しかし、削除されなかったとしても、店舗側が取れる対策はいくつもあります。
ここでは、悪質口コミが残ってしまった場合でも、評価を守り、信頼回復につなげるための具体的な対処法を紹介します。
誠実な返信で信頼を積み上げる
悪質な口コミであっても、店舗側の返信次第で読者の印象は大きく変わります。
ポイントは以下の3つ。
1. 感情的にならず、丁寧に対応する
口コミを読むのは投稿者だけではなく、未来のお客様全員です。
2. 事実関係を淡々と説明する
「当日の状況を確認いたしましたが〜」と、冷静な表現で事実のみを伝える。
3. 必要であれば改善策を提示する
「今後は○○を徹底いたします」など、前向きな姿勢を示すことで信頼度が上がります。
返信の仕方ひとつで、“批判への誠実な対応ができるお店”
という好印象につながります。
サービス改善につなげて評価を取り戻す
口コミが事実であった場合は、改善がもっとも効果的な対処法です。
たとえば、以下のようにサービスを改善。
- 接客対応の見直し
- 混雑時の案内方法の改善
- メニュー・料金体系の調整
- 店内環境の改善(清掃・案内表示など)
改善した内容は、返信コメントやSNSで積極的に発信するのがおすすめです。
「お店が改善してくれた」とお客様が感じれば、自然とポジティブな評価が増えていきます。
ポジティブな口コミを増やすための正しい方法
悪質な低評価が一つついたとしても、高評価の口コミが積み重なれば、全体の印象を上書きすることができます。
ただし、
✕ 金銭や特典を提供して口コミを書かせる
✕ 自作自演で口コミを入れる
などはGoogleの規約で禁止されています。
その中でできる“正しい方法”は以下の通りです。
- 接客時に「口コミのご協力」をさりげなくお願いする
- 店舗内に案内POPを設置する
- 領収書やショップカードにQRコードを掲載
- 定期的にSNSで口コミ協力を呼びかける
特に、実際に満足してくれたお客様からの口コミは最強の資産になります。
Googleビジネスプロフィールを最適化して評価を底上げする
悪質な口コミが残ってしまっても、Googleビジネスプロフィールを整えることで、
“店舗の総合的な印象”を大きく改善できます。
たとえば、以下を実施。
- 最新の写真を追加(外観・内観・メニュー・スタッフ紹介)
- 営業時間やサービス内容を正確に更新
- Q&Aを充実させ、問い合わせを減らす
- 投稿機能で定期的に情報発信する(新商品・イベントなど)
情報が充実している店舗は、口コミ内容よりも「実際の雰囲気やサービス」を見て判断してもらいやすくなります。
低評価口コミに埋もれない“評価設計”をつくる
悪質な口コミは完全にゼロにはできませんが、
全体の評価が高ければマイナスの影響を最小限に抑えられます。
評価設計とは
- 口コミが集まりやすい導線をつくる
- リピーターが投稿しやすい仕組みを整える
- 店舗体験の満足度を改善し続ける
こうした「長期的な評価戦略」を構築することで、悪質口コミがあっても信頼性は揺らぎません。
Google口コミの対策や削除はプロに依頼を
Google側に削除依頼をしても口コミが削除されなかった場合は、プロに依頼するのも一つの手です。
グーグルマップの口コミの場合、弁護士を通じて裁判所に仮処分の申し立てをすることで削除できる可能性があります。
仮処分とは?
法律で守るべき権利を侵害される可能性や避けられる不利益が生じた場合、権利を守るために裁判所からある程度の処分をしてもらうための手続きが「仮処分」です。
名誉棄損や権利侵害といった危険性が高いほど、グーグルマップの口コミを削除できる可能性は高くなります。
裁判所の決定にはGoogle側も従わざるを得ないため、仮処分が認められれば削除できます。
しかし、この仮処分の申し立てをする場合には「守られるべき権利」とそれを「守る必要性」が立証されないと仮処分を認めてもらえません。
これは法律なども関わってくるため、仮処分申請の経験が豊富な弁護士に依頼することをおすすめします。
グーグルマップの口コミは必ず削除されるとは限らない
Googleマップに投稿される口コミの削除方法についてご紹介しました。
明らかにポリシーを違反している口コミはGoogleに直接削除依頼をすることもできますが、その判断はなかなか難しいものです。
また、削除依頼をしてもGoogleの審査を通らない場合もあります。
削除申請が通らなかった場合は、裁判所へ仮処分申請をしてみましょう。
しかし、該当する口コミが権利侵害や名誉棄損にあたり、守られるべき権利とその必要性が立証されなければ裁判所からグーグルに仮処分命令ができません。
これらを立証するには法律に詳しい弁護士に依頼するべきです。
裁判所から仮処分命令はGoogleも無視できません。
弁護士の力を借りて、名誉棄損や権利侵害になるようなグーグルマップの口コミは削除することをおすすめします。



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