X(旧Twitter)で誹謗中傷された際の削除依頼や犯人の特定方法は?なりすましの対処は弁護士に相談

Twitterで謗中傷された時の削除依頼や犯人の特定方法!なりすましの対処法は?

X(旧Twitter)は、日常で何気なく思ったことやちょっとした出来事を短い文章で伝えることのできるSNSのひとつです。
情報の速報性や拡散力がSNSのなかで最も高く、便利なツールとして若者を中心に多くの人から支持されています。そんな利便性の高いSNSですが、匿名という気軽さもあり、誹謗中傷やなりすましといった問題も起きやすいようです。

そこで今回は、X(旧Twitter)上で誹謗中傷や悪口・なりすましの問題が起こったときの、削除依頼の方法や犯人の特定方法を解説します。

X(旧Twitter)は誹謗中傷を受けやすい

Twitterは誹謗中傷を受けやすい
X(旧Twitter)は、数あるSNSのなかでも誹謗中傷や悪口を受けやすいといわれています。
X(旧Twitter)では、アカウント作成のときに本名の登録が不要です。そのため、匿名性が高く、個人を特定される心配がないと思っている人も多くいるでしょう。

自分の素性を隠して用いるためのアカウントを作成する人もいます。通称「捨て垢」と呼ばれるものです。基本的に、捨て垢ではメインで使用しているアカウントでは投稿できないような誹謗中傷や悪口の投稿が行われます。
誰かを誹謗中傷しても自分の正体を相手に知られないという安心から、無責任な投稿を平気で起こしてしまうのです。

X(旧Twitter)社に誹謗中傷の削除依頼はできる?

Twitter社に誹謗中傷の削除依頼はできる?
ユーザーが気持ちよくX(旧Twitter)を利用するためには、特定の人を攻撃するような内容の投稿は制限する必要があるでしょう。
そのため、X社では、定めるルールやポリシーに違反している攻撃的な投稿が行われた場合、該当する投稿の削除またはアカウント凍結の対象としています。

強烈な身体的脅迫

他者への身体的危害の脅迫。これには殺人、拷問、性的暴行、またはその他の方法で他者に危害を加​えると脅迫することなどが該当します。また、民間住宅やシェルター、または日常活動、市民活動、宗教活動、事業活動に不可欠なインフラストラクチャの破壊の脅迫もこれに該当します。

暴力行為の煽動

暴力行為や、何らかの危害を及ぼす行為を行うよう他者を煽動したり、促したり、仕向けたりするこ​と。これには他者に自傷行為を促すことや、非人道的犯罪、戦争犯罪、または大虐殺など、残虐な犯罪​行為を行うよう他者を煽動することなどが該当します。

中傷や差別的揶揄

Xは、他者を繰り返し中傷すること、差別的揶揄の対象にすること、そして法的または社会的に守られるべき特定のカテゴリーの人々を貶めたり、そのような人々に対する否定的または有害な偏見を助長したりすることを目的とした、その他のコンテンツの標的にすることを禁止しています。他者への嫌がらせまたは威圧を目的とした中傷、人種差別または性差別表現(これらに限定されません)がひどく繰り返し使用されている場合には、Xはポストの削除を要請することがあります。他者への嫌がらせまたは威圧を背景としたこれらの行為(ただしこれらに限定されません)の重大度が中程度で、なおかつ1回のみの場合には、Xは以下に示すようにポストの表示を制限することがあります。

自殺や自傷行為

このポリシーでは、自殺や自傷行為を助長または教唆することは禁じられています。「最も効果的な~」、「最も簡単な~」、「最も優れた~」、「最も成功率が高い~」、「~すべき」、「~しませんか」などの表現は、助長または教唆に含まれるものとみなします。ポスト、画像、動画(ライブ放送を含む)を通じて公開された内容については、このポリシーへの違反の対象となる可能性があります。

Xでは、自殺とは、自身の命を自ら絶つ行為と定義しています。自傷行為の定義には、以下などがあります。

  • 自身の身体を傷害する行為(切創など)
  • 摂食障害(過食症、拒食症など)

このポリシーの違反として、以下が挙げられますが、これらに限定されません。

  • 他者に自傷行為や自殺を教唆すること
  • 他のユーザーに、自傷行為や自殺を教唆するよう依頼すること(集団自殺や自殺ゲームの参加者を募ることや、
  • 自傷行為や自殺をほう助する情報、方法、手段、指示を共有することなどを含む)

ヘイト表現を伴う画像

人種、宗教、障碍、性的指向、性同一性、民族/出身国を理由に他者に対して敵意や悪意を増幅させることを目的とするロゴ、象徴、画像は、ヘイト表現を伴う画像とみなします。ヘイト表現を伴う画像の例としては以下が挙げられますが、これらに限定されません。

  • 歴史的にヘイト助長組織に関連した象徴(ナチスのかぎ十字など)
  • 非人間的に扱われた個人を含む画像、またはヘイトの象徴を含むよう加工された画像(個人画像を加工し、獣のような姿にするなど)
  • ヘイトの象徴を含むよう、または法的または社会的に守られるべき特定のカテゴリーの人々を対象にした大量虐殺について言及する内容を含むよう加工された画像(個人画像を加工し、ホロコーストを連想させるダビデの星を挿入するなど)

ライブ放送、アカウントの自己紹介、プロフィール画像、ヘッダー画像にヘイト表現を伴う画像を掲載することはできません。その他すべてのヘイト表現を伴う画像/動画もセンシティブな画像/動画とみなされます。さらに、ヘイト表現を伴う画像を一方的に個人に送信するのは、このポリシーへの違反となります。

引用:ルールとポリシー

他にも、スパム行為やセンシティブな画像・動画の投稿、著作権および商標を侵害する投稿など細かくルールが定められています。
詳しくは、Xのルール:安全性、プライバシー、信頼性、その他 をご覧ください。

X社では、以上のような誹謗中傷や名誉棄損、センシティブな投稿などに対する問題を積極的に解決してくれます。
X(旧Twitter)上での誹謗中傷にお困りの方は、ヘルプセンターから運営元に報告しましょう。

X(旧Twitter)のなりすましって?


X社は、なりすまし行為を禁じています。
なりすましとは、本人のアカウントと混同や誤解を招くアカウントを作成することをいいます。
特に「注目を集めたかった」という理由で有名人のなりすましアカウントを作成するケースが多いです。しかし、「なりすまし」の目的は多種多様で、特定の個人に対するいやがらせや名誉棄損を目的としているケースもあります。
また、詐欺目的や個人情報の取得など、深刻な被害を受けるケースもあるため注意が必要です。

なりすまし被害に合ったときの対応方法を解説します。

なりすましを発見したら運営元に通報しよう

X(旧Twitter)でなりすましアカウントを見つけたときに1番にすべきことは、運営元への通報です。なりすましアカウントは、X社が定めるルールに違反しているため永久凍結の対象となります。

なりすまし被害に合っている、知人・会社・有名人などのなりすましアカウントを発見したという人は、なりすましアカウントを報告する|ヘルプセンターから運営元へ違反報告を行いましょう。受理されれば、該当アカウントが凍結されます。

フォロワーに知らせよう

運営元に通報後、フォロワーなど自分と関りのある人に「なりすまし被害を受けている」ことを知らせる必要があります。

なりすましアカウントによってフォロワーに悪口などのDMを送られたり、金銭の要求が行われるなど、最悪の場合にはフォロワーが詐欺被害に遭ってしまう可能性があるからです。
それによって、交友関係に亀裂が入ってしまう恐れもあります。

フォロワーに知らせる際には、なりすましアカウントの
「アカウント名」
「ツイートやプロフィール画面のスクリーンショット」
「IDやURL」
などの情報も載せておくと理解が得られやすいでしょう。
詳しい情報を載せることで通報を行ってくれるフォロワーもいるかもしれません。

また、X(旧Twitter)だけでなくLINEやその他SNSでも自分と関りのある人になりすまし被害を報告することで、被害の拡大を防ぐことができます。

X(旧Twitter)誹謗中傷・なりすましの犯人の特定方法は?

Twitter誹謗中傷・なりすましの犯人の特定方法は?
SNSの誹謗中傷やなりすましは、場合によって犯罪にあたることもあります。
また、X(旧Twitter)での誹謗中傷によって日常生活などに悪影響が出ている場合は、犯人の特定により慰謝料を請求できるケースもあるでしょう。

犯人を特定するには、X社と犯人のプロバイダ会社に対して、投稿時に使用したIPアドレスやタイムスタンプと個人情報を開示してもらわなければいけません。
X(旧Twitter)上での誹謗中傷やなりすましの犯人を特定する方法を解説します。

X社に発信者情報開示の仮処分の申請

誹謗中傷や名誉棄損を受けたら、まずX社に「発信者情報開示の仮処分」の申請を行います。
X社は、投稿者の本名や住所だけでなく、投稿時の「IPアドレス」や「タイムスタンプ」まで特定することが可能です。
IPアドレスやタイムスタンプとは、ネット上に投稿したときに残る「足跡」のようなものをいいます。この足跡をまず確認しなければ個人を特定することができないため、仮処分による開示請求が必要となります。

IPアドレスやタイムスタンプが開示されると、その情報をもとに投稿者が利用している「プロバイダ」を特定することが可能です。スマートホンからの投稿されている場合でも、どこの通信会社か特定することができます。

プロバイダへ発信者情報開示をする

プロバイダを特定したら、プロバイダへ任意の開示請求を行います。
プロバイダが投稿者に情報開示の許可を確認し、投稿者が承諾してくれれば個人情報を特定することが可能です。しかし、投稿者は開示請求を拒否するケースがほとんどでしょう。
拒否された場合は、プロバイダに対して「発信者情報開示請求訴訟」を起こす必要があります。

プロバイダへ発信者情報消去禁止の仮処分を申請する

プロバイダに開示請求をするときには、必ず「発信者情報消去禁止の仮処分」を申請しておきましょう。プロバイダや通信会社は、通常投稿が行われてから3~6ヶ月が経つと投稿者の情報を消去してしまうためです。
プロバイダへの情報開示手続きに数か月を要する場合があります。情報が消えた後では、犯人を特定できなくなってしまうため注意が必要です。

裁判にかかる時間を考えても、誹謗中傷の書き込みがされてから遅くても1ヵ月以内には手続きを開始しておくと良いでしょう。

X(旧Twitter)でのなりすまし被害は弁護士に依頼しよう

発信者情報開示(裁判)によってX(旧Twitter)のなりすまし犯を特定する場合は、法的な専門知識が必要となるため、弁護士に依頼することになります。

なりすましが権利侵害に該当する場合は、警察に相談することもできます。
しかし、権利侵害を受けたことの証明や証拠の用意、裁判の手続きなどを自分で行わなければならないため、手間や負担が大きいです。

また、X(旧Twitter)でのなりすまし被害は、民事紛争となる場合が多いため、警察では対応してくれないこともあります。そのため、「X(旧Twitter)でのなりすまし犯を特定したい」「訴えたい」のであれば、弁護士への依頼がおすすめです。
弁護士であれば、むずかしい手続きだけでなく、なりすましアカウントの凍結や犯人との示談、損害賠償などのサポートまで任せることができます。

また、ネット上のトラブルに強い弁護士に相談することで、よりスムーズな問題解決が期待できるでしょう。ネット上のトラブル解決業者も存在しますが、法的な問題に該当する場合は非弁行為となる可能性があるので、注意する必要があります。
X(旧Twitter)でのなりすまし被害などネット上のトラブルは、専門家である弁護士への相談が有効です。

X(旧Twitter)での誹謗中傷で訴訟になった事例あり

実際に、X(旧Twitter)などネット上での誹謗中傷やなりすまし被害を弁護士に相談し、犯人の特定をして訴訟を起こしたという事例もいくつかあります。

匿名の誹謗中傷であってもその内容が「名誉毀損」などの権利侵害にあたれば、個人を特定し数百万の賠償金が科せられる場合もありますので、X(旧Twitter)上で誹謗中傷を受けた場合には泣き寝入りせずにまずは弁護士に相談してみることも大切です。

名誉毀損とは簡単に説明すると、
「不特定多数の人たちが知り得る状況で、事実の有無に関係なくその人の社会的評価が害される恐れのある表現をすること」です。

反対に、匿名だからと安易に誹謗中傷の書き込みをしてしまうと、罪に問われたり多額の賠償金を支払うことになる可能性がありますので、注意しましょう。

X(旧Twitter)の誹謗中傷やなりすましは早期対応が大事!

X(旧Twitter)は拡散性が高いため、誹謗中傷やなりすましの問題を解決するには、早い対処が重要となります。また、非公開アカウントにして利用することもX(旧Twitter)上での誹謗中傷や悪口を防ぐひとつの対策です。

X社が定めているポリシーやルールを理解し、削除依頼の方法や犯人の特定方法について知っておくことで、X(旧Twitter)をより安心して楽しく利用することにもつながるでしょう。

Twitterで謗中傷された時の削除依頼や犯人の特定方法!なりすましの対処法は?