転職会議の削除方法について解説します。転職希望者ならば一度は目を通すともいわれている転職会議なだけに、「ブラック企業」「セクハラ」「パワハラ」などの事実無根の口コミが掲載されてしまった場合の損害はけっして小さくありません。さらに、すべての削除依頼がすんなり通るわけでもない点も要注意です。風評被害対策ラボでは過去に転職会議の書き込みにお困りな企業に数多く相談をいただきました。その際に調査した転職会議の特徴から削除に対する考え方を独自のノウハウでまとめております。迅速解決のためのポイントを4つ紹介します。
転職会議を正しく理解する
風評被害となる口コミを削除したい場合は、転職会議がどのようなサイトなのか、特徴を正しく理解することが重要です。
転職会議が投稿を掲載する際の基準や企業側からの削除請求の成功率がどれくらいかについて解説いたします。
転職会議とは
転職会議とは株式会社リブセンスが運営している企業に関する口コミサイトです。会社概要、年収、売上・業績、年収、入社対策などの情報が掲載されていて、その規模は国内最大級を誇ります。
転職を考えている人のほとんどが生の情報を得るためにアクセスしているともいわれていて、もし企業のマイナスイメージになるような書き込みが投稿されてしまった場合の影響は無視できません。そのような口コミを削除するにはどうすればいいのでしょうか。
転職会議の削除は不可能に近い!?
転職会議サイトによれば、投稿された全投稿の99.2%を掲載しているとのことです。プライバシー侵害、名誉毀損など法令や転職会議の利用規約に明らかに抵触しているものを除き、基本的にほぼすべての投稿を掲載しているということです。掲載前に削除される投稿がわずか0.8%ならば、掲載後の削除は0.2%とさらに少ないため「転職会議の削除はほぼ不可能」といわれることもあります。
掲載後の削除も、投稿者本人の削除請求によるものがほとんどで、企業により削除された投稿は0.05%というのが現状です。まず、単に苦情を寄せただけでは削除は成功しないということをまず肝に銘じましょう。
転職会議で削除されやすい投稿とは
転職会議がここまで閲覧者を増やしたのは、投稿のクオリティを一定に保つことに力を注いでいるからです。公式サイトに「削除されない投稿の書き方」という項目を設けているぐらいですが、ここに抵触していることを指摘すれば削除依頼がスムーズに通る可能性もあります。
役員情報・社員情報に注意
転職希望者が転職会議を見る理由のひとつに、そこで働いている人の実際の様子を知りたいというものがあります。役員情報や社員情報は転職会議の人気コンテンツのひとつでもあるのです。しかし、たとえば、役員の名前を投稿したというだけでは削除対象にはなりませんが、役員の私生活に関する情報が晒されていると判断された場合は削除が実行されます。一般社員の場合は「伏せ字などを含め実名を投稿した場合、原則として削除対象」と公式サイトに明記されているので、もしこれに抵触している場合には速やかな削除を期待できます。
ただし、個人を特定できない範囲の役職名での投稿は対象外ということなので「わかる人にはわかる」だけでは、おそらく削除は受け付けてもらえません。
誹謗中傷を意図した投稿
転職会議では誹謗中傷を意図した投稿は削除対象としています。
具体的には、特定個人への悪意のある感情的な表現はすべて駄目です。「デブ」「ブス」などの容姿に関するもの、「バカ」「鬼畜」「クズ」などの内面的な能力に関するもの、特定企業に関する「地獄」「人生を無駄にする」「経営者がサボってる」「あんな企業潰れろ」といった乱暴な表現も削除対象です。
テーマから外れている
転職会議には「年収」「評判」「売上・業績」「入社対策」などの複数カテゴリーが設定されています。
検索性を向上させるため、それぞれのテーマに即していないと判断された投稿は削除されることになっています。また、外部サイトへのリンクは「みんなのオススメ記事」に投稿するというルールもあるので、批判的な記事へのリンクは、これに従っていないという理由で取り下げさせるのもひとつの方法です。
閲覧者を不快にさせる投稿
何を不快と思うかは個人差があるところですが、転職会議では「過度の変換ミス、誤字脱字を含む投稿」「アスキーアート等を含む投稿」「意味の不明確な投稿」は基本的に削除対象としています。もし、2ちゃんねるなどでよく見かけるそのような中傷の投稿があれば、削除対象となる可能性が高いので転職会議に直接相談してみてはいかがでしょうか。
いずれにも当てはまらない場合
以上にあげたような転職会議の削除基準には触れないように、巧妙に投稿されているやっかいな誹謗中傷もあります。しかし、あきらめることはありません。法的な証拠を集めれば、十分対応することもできるのです。
転職会議の削除には法的な根拠を提示する
「困っている」だけではNG
転職会議の削除依頼をする時、ある投稿に対してどれだけ困っているかを書き連ねるだけでは駄目です。大切なのはまず、いつ、どのアカウントから、どのような書き込みがあったのか正確にリストアップすることです。その上で、違法な箇所を具体的に指摘するようにしなければいけません。
法的にアウトな書き込みとは、プライバシー侵害、名誉毀損などに抵触しているものということです。しかし、いずれも、どこまでが違法なのか素人では判断つきかねる部分も多々あります。
客観的な証拠と突き合わせて違法性を示すには、名誉毀損問題などに精通していなければいけません。専門知識と経験が豊富な弁護士に相談してみるというのもひとつの方法です。
弁護士に依頼すると費用が発生
転職会議の削除依頼を弁護士に依頼し、確かに違法性が認められたとしても、削除までは2週間から1ヵ月程度かかります。どうしても時間がかかることなので、思い立ったら即行動することをおすすめします。
必要経費の一例をあげると、簡易なものならば5万円、就業規制などの確認が必要なものは10万円、裁判手続きが必要な場合には30万円以上、記事数が多い場合にはさらに増額となります。いずれも安いものではありませんが、誹謗中傷により著しく売上を落とす企業も珍しくないことを考えれば、むしろコストパフォーマンスが良いともいえそうです。
ただ、ひとつの書き込みを削除しても、次々と同じような投稿が繰り返されることもあります。そうならないためにも、投稿者を特定しておくことは危機管理面からも重要なことです。投稿者を特定するにはプロバイダを相手に裁判を起こさなければいけませんが、これも弁護士に依頼することができます。人物特定には半年ほど必要ですし、費用も50万円以上かかることもありますが、それでも事実無根な悪質な口コミを元から断つというのは非常に重要です。
転職会議は投稿者を特定できるのか
転職会議の書き込みを行った投稿者を特定できるのか?というご相談を過去に数多く受けてきましたが、他のホストラブや爆サイや2ちゃんねると同様に投稿者の特定を行うには法的な手続きを行うしかないことが結論となります。それは投稿者の特定をするには掲示板やサイト管理者側に情報の開示請求を行わないといけないからです。
転職会議にも書き込みをした投稿者の個人情報を守る義務があります。簡単に情報を開示することはできないのです。つまり法的な手続きにより明確な理由「なぜ開示しなくてはいけないのか」を用意しないと投稿者の特定はすることができないということになります。
開示請求の方法
それでは、転職会議の投稿者を特定する開示請求の方法について解説いたします。
- まず初めに、裁判所に仮処分を申請して、発信者情報開示命令を出してもらいましょう。
転職会議側が情報開示命令を受理すると、IPアドレスの情報が開示されます。
IPアドレスが判明すると、投稿者が何のプロバイダを使用していたのかを特定することが可能です。 - プロバイダの特定ができたら、プロバイダ会社に対してそのIPアドレスを利用している人物の情報開示請求を行いましょう。
しかし、任意で情報開示に応じてもらえる可能性は低いです。 - 任意での情報開示に応じてもらえなかった場合は、裁判所で訴訟を起こして発信者情報開示請求を行わなければなりません。
審理によって発信者情報開示請求が認められると、投稿者のプロバイダに対して発信者情報開示命令が下されます。
裁判によって情報開示を行う場合は、本訴訟となるので厳格な手続きが必要であり時間もかかりますが、およそ6ヶ月程で特定することができるでしょう。
まとめ
転職会議の投稿削除が少ないのは、けっして「削除が不可能」だからではありません。「転職会議の投稿は消せない」という噂を信じて、そのままにしているケースがほとんどなのです。しかし、そのまま放置していては企業へのメリットは何ひとつないどころか、思わぬ損失をもたらすこともあります。まずは転職会議の特性とルールをしっかりと勉強し、それでも解決の糸口が見つからない場合には、できるだけ早く名誉毀損などに詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
風評被害対策ラボでは掲示板の書き込みに悩んでいる方へのアドバイスを無料で行っております。また逆SEOによる対策についてや、独自のノウハウによる解決策をご提案することも可能です。