今回は「書き込みの投稿監視」について有人と無人ではどのようなメリットとデメリットがあるのか解説します。
投稿監視インターネットの隆盛に伴い、ネット上の口コミの力はバカにできないものになっています。上手くいけばブームを巻き起こすこともできますが、あっという間に悪評が広がってしまうこともめずらしくありません。企業の危機管理上、書き込みを監視することは非常に重要です。
そこで、投稿監視が必要になってくるというわけなのです。投稿監視と一口に言ってもさまざまな方法があります。それぞれどのようなメリット、デメリットがあるのか解説します。
投稿監視とは
投稿監視とは、掲示板やブログなどへの書き込みを監視することです。国民のほとんどがネットを利用しているといっても過言ではない昨今、どの企業も不適切な書き込みをされるリスクを負っています。
不適切な投稿による企業の不利益を排除するのはもちろん、違法な投稿を取り除き、よりよいネット環境を整備することは社会的にも求められています。投稿監視では問題のある書き込みがないかどうかチェックするとともに、コミュニティサイトの利用者同士のコミュニケーションに問題が発生していないかどうかを確認し、素早く対処することを目的としています。
【投稿監視の対象】
- 各種SNS
- コミュニティサイト
- ECサイト
- レビューサイト
- 画像や動画投稿サイト
- 企業メール
など
ツイッターや2ちゃんねるの投稿監視を行う一方で、企業が開設しているブログやコミュニティサイトへの書き込みの監視も非常に重要です。ユーザーとのコミュニケーションや囲い込み、ユーザー同士の情報交換の場、販売促進、顧客サポートなど、ブログやコミュニティサイトの効果は枚挙に暇がありません。積極的な企業が増えているというのも納得できます。
しかし、そういった双方向性メディアを運営することには当然のことながらリスクもあります。不適切な内容の書き込み、違法な使用などへの対策も忘れてはいけません。企業コンプライアンスの観点からも、誹謗中傷など見る人に不快感を与えるような内容を放置していては問題です。
これまで企業が運営するブログやコミュニティサイトは、ユーザーの自浄作用に頼るというのが一般的でした。確かに、トラブルをサイト運営者に通報してくれるユーザーもいますが、どうしても対応が遅れがちで、コミュニティサイトそのものの健全な成長も阻害していました。
そこで注目されているのが、企業による投稿監視です。投稿監視者がいち早く問題に直接介入することによって、コミュニティサイトを健全に活性化することもできるのです。投稿監視には有人による方法と、無人による方法があります。それぞれどのようなメリット、デメリットがあるのか次に解説します。
有人による書き込み監視
インターネット上の投稿を監視するには、基本的には有人による方法が用いられます。
有人監視のメリット
有人監視は、流行の変化や法改正などに臨機応変に対応できる点です。監視基準は時代とともに絶えず変化しているといっても過言ではありませんが、有人ならばいち早く最新基準を理解し、判断が微妙な問題に関しても適切に処理することも可能です。
有人監視では、関連内容が投稿されているブログ、そこに寄せられるコメント、トラックバックなどを目視チェックすることが基本です。問題のあるような投稿を発見次第、管理者への通知を行うとともに、投稿者への注意を促すこともあります。炎上や荒らしなどにもいち早く対応しています。
また、ECサイトに寄せられる商品はサービスに関する感想、口コミなども目視チェックします。ネガティブな意見を削除するというのも表現の自由を尊ぶネットの健全性に反する行為なので、そういったものはそのまま残しますが、誹謗中傷や企業批判などは削除していきます。
さらに、企業が運営しているブログやコミュニティサイトに、、無許可の個人写真、アダルト画像や動画、テレビ番組等の著作権・肖像権を侵害する投稿などがないかどうかも目視で確認します。そういった違法行為をそのままにしているわけにはいきませんし、企業イメージを損なうことにもなってしまいます。
有人監視のデメリット
以上のような投稿監視業務を遂行するには、優秀な監視オペレーターが必要になります。サイトのコンセプトを正しく理解し、問題のある投稿かそうではないかを判断し、迅速に対処できる能力が必要です。また、ひとつの書き込みだけではなく、その前後の文脈も判断できるような読解能力もなければいけません。
当然のことながら、インターネット上の書き込みはいつ投稿されるかわかりません。
24時間365日体制で監視する必要があり、社員だけでローテーションを回すのも難しいのが実際のところです。そこで監視スタッフを外注している企業もありますが、日本国内だけで探そうとすると人件費だけでもかなり高額になってしまいます。海外オフショア・センターを持ち、低価格でのサービスを提供している会社などを利用したいところです。
通常、海外アウトソーシングを利用した格安サービスでは安価で雇うことができる現地外国人を採用しているものですが、国語能力が問われる投稿監視に関しては注意が必要です。できれば日本人スタッフを現地採用している企業に依頼することをおすすめします。
ちなみに自社で投稿を監視するためのポイントも紹介しています。「SNSの監視をするときの10個の秘訣!炎上を乗り切る企業とは?」にてSNSなどの監視に必要な秘訣をご紹介していますので参考にしてください。
無人の書き込み監視
インターネット上の書き込みを監視する方法としては、有人監視の他に無人監視という方法もあります。人工知能による自動投稿監視システムを構築するというのもひとつのやり方です。
無人監視によるメリット
自動投稿監視システムは、あらかじめインプットされたNGワードに従って、問題のある投稿をインターネット上から抽出することが可能です。最初に何をNGワードに設定するかは有人で行う必要がありますし時々修正する必要もありますが、ある程度運営を重ねるほど人工知能の学習能力によって監視精度がますます高くなっていくのも特徴です。
最新の人工知能ではNGワードだけではなく画像を認識することもできます。違法ポルノの取り締まり、コピー商品の検知など、画像や動画に関する問題のある投稿を、たちどころに抽出することも可能なのです。
日々、進化を続けている人工知能による投稿監視システムですが、やはり、微妙なケースへの対応というと有人にはやや及びません。しかし、今後、ビッグデータの解析が進むにつれ、より人間に近い対応もできるのうになるのではないかと期待されています。
さらに、無人監視は有人監視にくらべて人件費を大幅に削減できるというメリットはあります。
無人監視によるデメリット
しかし、システムの構築や運営にはやはりコストがかかりますし、そもそも監視システムを構築するというのは一般企業にはなかなか難しい話です。またインターネット上のサービスやサイトは都度アルゴリズム(仕組み)が変更されてしまい、常に情報にアンテナを持っていないと、無人化したシステムも通用しなくなってしまいます。
無人監視サービスを提供している会社などに相談してみることをおすすめします。
まとめ
有人監視にせよ無人監視にせよ、書き込みをつねに注意深く見守るというのは、このようなネット社会の中で企業が欠かすことのできないものになっています。悪質な投稿を削除するのは当然のこととして、良い投稿にいち早く気づき対応するのも大事です。
たとえば、ツイッターやフェイスブックなどで商品やサービスをほめるような投稿をしてくれているアカウントにお礼のリプライをするなど、きめ細やかな対応で好感度をアップさせている企業もあります。
まだネットユーザーが少なかった時代ならば、会社内で通常業務の片手間にすますこともできたかもしれません。しかし、現在ではそれは事実上困難です。監視と対応に関する経験とノウハウをしっかりと持っている専門会社に依頼することを強くおすすめします。