風評被害対策ラボ|誹謗中傷の削除・対策・特定・比較まで全て解決

~ネガティブキャンペーン~競合企業に悪評を書かれていた

自社、あるいは自社の製品やサービスについてエゴサーチしてみたら知らぬ間に口コミサイトに悪評が多数あった、という経験はないだろうか。自社に対する書き込みは良い評価・悪い評価どちらを書かれていたにせよ、現在の自社を客観的にみれる貴重な意見だ。

しかし、悪評が不自然に多い場合は、故意的にどこかから「ネガティブキャンペーン」を受けている可能性がある。

ネガティブキャンペーンとは?

「ネガティブキャンペーン」とは、元々は選挙戦術の一つで、選挙相手の政策、あるいは人格を批判することで相手の印象を著しく損なわせ、相対的に自分の信用を高めることを目的としているものだ。現在は企業のイメージ戦略の一つとしても使われており、ビジネス上でも一定の効果が上がっている。アメリカでは他社を直接名指しした比較広告を打ち出すなど活発だ。

日本では表立って、直接的に名指しした比較広告は少ないが、水面下で名前を出さずに他社を比較することはある。口コミサイトにネガティブな書き込みをしていたのは実はライバル企業だったなんてケースは実はよくある話しなのだ。ここがアメリカと日本の違いなのだろう。

ネガティブキャンペーンを受けた企業は悪評に対して説明をする必要が出てくる。なぜなら根も葉もない話しで顧客が流出することを避けないといけないからだ。

企業によっては仕返しとしてネガティブキャンペーンをやり返そうと考えるところもあるだろうが、そんなことをすれば顧客は自社と他社の商品の両方に興味を示さなくなってしまうだけである。単にマスメディアがその叩きあいを追いかけ報道して、その連日の報道に嫌気がした我々はどちらが正義でも悪でもどうでもよくなり、単に両社に興味がなくなる。そういう結末なのである。

このネガティブキャンペーンに対して企業はどう対応していくべきか?アメリカであった一つと事例を紹介したい。ある企業がネガティブキャンペーンに対して取った手段だ。

ネガティブキャンペーンへの対抗手段

その企業とはコーヒーで有名なあの「スターバックスコーヒー」(以下スタバ)だ。

当時、アメリカのマグドナルドコーヒーをだいだい的に売り出すときにスタバの本拠地シアトルにて「Four bucks is dumb. now serving espresso.(4ドルなんて馬鹿馬鹿しい。エスプレッソを提供します)」という看板を100ケ所に出した。「buck」とは英語のスラングで「1ドル」という意味で、スターバックス「(star)bucks」とかけており、明らかにスタバを挑発していた。

しかし当時のスタバのCEOであるハワード・シュルツは腹を立てていたが、直接の抗議や反論はあえてしなかった。その時期に米国大統領選挙があり、投票率は例年どおり低いと思われていた。スタバはそこをうまく使ったのだ。

選挙当日にスタバのカウンターで「投票に行ってきました」と言えばトールサイズのコーヒー1杯を無料でふるまったのである。無料ということでお客は店内になだれ込むように押し掛けた。それから来客数はふたたび増加したのだった。もともと味に自身のあったスタバはうわさよりも実際に体験してもらうことで自らの価値を証明してみせたのだ。

見事ネガティブキャンペーンに打ち勝った。これについてハワード・シュルツは後に「喧嘩するのではなく積極的に自らを定義し声を上げ会社の個性を大事にしたい」と述べている。これはネガティブキャンペーンに対して、言葉で反論するではなく、自分たちが本来どうあるべきかを考え、行動するかが大事なのかを説いている。

ネガティブキャンペーンは水面下にありふれている

では日本の場合はどうだろうか。

アメリカと比べると自己主張することがあまり美しいと思わない日本では『匿名』という言葉がとても好きなのである。
ラジオのはがきのコーナーでもそうだが、匿名、もしくはペンネームを使うことがもはや常識のようになっている。自己主張=輪を乱す。そんな意識が強い。

だからネガティブキャンペーンを行うときもやはりネットの書き込みを匿名で行うのだ。同業だからこそ分かる『痛いツボ』。そこをチクチクと水面下で突いているのである。たとえば建築会社のビルの建て方の裏側、飲食店の仕入れ先、企業の社長の逮捕歴など、どれも書かれては困ることを妬みや嫉妬と共に書き込むのである。

日本のネガティブキャンペーンは陰湿だ。水面下で淡々とネガティブキャンペーンは進んでいるのだから。そして私たちは知らぬまま口コミサイトを開いて、書いてあるものをそのまま読み取っていくのであろう。

ネガティブキャンペーンを受けることはチャンスである

人はネガティブな情報に流されやすい。口コミサイトの多様な増加によりネガティブキャンペーンもまた多様に存在する。知っているか知らないかは大きな違いを生むだろう。

日本人の8割に普及した携帯電話。今この瞬間にもどこかの口コミサイトに誰かが書き込みをしている。もしもあなたの会社が、お店が、学校が少しでも上向きであると感じたならば、いますぐにエゴサーチをすることをおススメする。そして何も書かれていないことに安心をするのか、まだまだ認知度が足りないと嘆くかはあなたに任せよう。

人は人気あるもの、強い物、あこがれのものにしか悪評は書かない。小さな町の小さなラーメン屋を誰もネガティブキャンペーンしないのだ。あなたの周りに小さなネガティブキャンペーンがあったときは小さな怒りと共に小さな満足も訪れるだろう。あなたはあなたの存在を競合に認めさせたということなのだから。そんなときこそ実はビジネスチャンスなのである。スタバのように『反論するのではなく実際の行動で示すこと』で競合を置き去りにして駆け抜けていけるのだから。

ネガティブキャンペーンにあったとき、その瞬間こそが大きく羽ばたけるビジネスチャンスだと捉えても間違いはないだろう。